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壁の中のこと 後編

 

こんにちは。佐藤です。

ようやく雨がやみましたね。久しぶりの晴れ空。

 

私の地元では、そろそろ秋の空に変わります。

雲と空の色合いが淡くなってくるような。

沖縄も少しずつ涼しくなりそうなだな~と、今朝出勤しながら思いました。

 

 

 

さてさて、先日お話させていただいた 「壁の中のこと 前編 」に続き、

後編では「外壁下地用耐力面材の透湿性」についてお伝えしていきたいと思います。

名前が長いので「耐力面材」と省略させていただきますね。

 

 

2. 湿気を外に逃がす 透湿性

 

「内部結露」という言葉を聞かれたことはありますか?

 

結露には、目に見える部分で起こる「表面結露」と、壁の中や天井裏で起こる「内部結露」があります。

この「内部結露」が起こってしまう原因のひとつに、耐力面材の材質が大きく関わってきます。

 

壁の中はこのような感じです。

 

壁の断面図

 

室内側から石膏ボードを通じて、壁内へと水蒸気が移動します。

 


冬場は室内が暖かくて、室外はひんやり冷たくなっていますので

雫のイラストのあたりに結露が生じます。

 

この結露が溜まっていくと、少しずつ木材が濡れて木材腐朽菌が繁殖、

シロアリが好む環境を作ってしまうという大変な事態になってしまうので

この内部結露は防がなくてはなりません。(他にも、カビが発生したり断熱性能が失われたりと良いことなし)

 

室内側から壁内へ、できる限り水蒸気を通さないように防湿シートを張ったり対策をしますが、

コンセントボックスや換気口など開口部があることで、完全にストップすることはできません。

 

ならば、勢いよく水蒸気を外に逃がせることができれば、

壁の中の結露を防ぐことができます。

 

 

 

こういうイメージですね。

 

耐力面材に透湿性があれば、壁の中に留まることなく逃げていきますので内部結露を防ぐことができます。

室内側は透湿性を極力持たせない、外側は透湿性を持たせることが大切なのです。

これを透湿抵抗が高い、透湿抵抗が低いと言います。

 

 

耐力面材には、「無機質系耐力面材」と「木質系耐力面材」と

大きく分けて2種類あると前回お伝えしました。

 

合板などの木質系耐力面材は、透湿抵抗が高く水蒸気をほぼ通しませんので

室内側で防湿をしっかりしないと内部結露を生む原因となってしまいます。

 

ここで、

「ん?これは寒い時期の話なのでは?」

と思われた方はいらっしゃるでしょうか。

 

そうです、これは冬場など外気が低いときに起こりやすく

夏場には「逆転結露」と呼ばれる夏型結露が発生しやすくなります。

(夏型結露は沖縄に限ったことではなく東京より西側で懸念されています)

 

エアコンで室内が冷やされているので、今度は室内側の内壁に結露が発生するという現象なのですが、

日射によって壁の中がムシムシ暑くなってくると、木材の中に含まれる水分が蒸発して水蒸気となり

逃げ場がない場合に結露になるというメカニズムです。これを「蒸し返し現象」と言います。

 

 

特に合板は水分を保水する性質があるので水蒸気を多く噴き出します。

また透湿抵抗が高い(透湿性がない)ため逃げ場を塞いでしまいますので、

木質系耐力面材を使うと面倒が多くなると言えます。

 

透湿抵抗の低い(透湿性がある)耐力面材を使うことで、壁内部で水蒸気の逃げ道ができ

結露が発生しにくい環境を作ることができます。

 

いかがでしたでしょうか。なんとなく、透湿性のある耐力面材の方が良いんだ~と

思っていただければ嬉しいです^^

 

少し省略していますので、もっと詳しく聞きたい!という方は

お気軽にお問い合わせくださいませ。

 

いつもお読みいただきありがとうございます!