2017.10.25
皆さんは身の回りのものを買うとき、どのくらい使うのか考えますか?
洋服で2~3年、車だったら10年程度でしょうか。
その後、また新しいものに買い替える。
余談ですが、私は「一生使えそう!」なものを選んで、すごく悩んで買うようになりました。以前は衝動買いも日常茶飯事。安いものが好きで、セールでたくさん買えるとすごく嬉しくて満足していいました。でも実は使っていないものが多かったり、「安い」が理由で買ったものはすぐに壊れてしまって、またすぐ新しく買い替えていたことに片付けをしていて気づきました。
少し高くても、気に入って買ったものは大切にして長持ちしています。
本題にもどって…では住宅はいったいどれくらい使うのでしょうか?
30年?60年?100年?
なんだか遠い先の未来で、なかなかピンとこないかもしれません。
ほとんどの方にとって、住宅が人生で一番大きな買い物だと思います。
洋服や車と違って、買い替えるということはあまり考えませんよね。
洋服も車も住宅も、ひとくくりで考える訳にはいきませんが、共通する点として
良い素材のものを選び、愛着を持って定期的にメンテナンスしてあげることで長く使えるようになるというところにあります。
逆に言えば、何もせず放置するとすぐダメになってしまうということです。
家づくりにおいてメンテナンスをした方が良い理由としては、
① 性能・強度を維持するため
② 市場価値を維持するため
雨風にさらされる外壁に、傷んでいるところはないかチェックしたり、ときどき床にオイルを塗ってあげることも大切です。
経年変化を楽しみながら、長く暮らして頂けるように、私たちは定期的にお伺いして住まいの点検を行っています。中古住宅流通促進・活用に関する研究会では、現行の建物評価方法を改め、メンテナンスやリフォーム履歴を適正に評価しようという動きがあります。
少し話は変わりますが、日本は今、少子化に伴う多くの空き家問題を抱えています。
リノベーションという手法を通じてこの問題に取り組もうと、日本各地で様々な団体が活動しています。
リフォームとリノベーションの大きな違いは、リフォームは傷んでいる壁紙やドアを修復したり、古くなった水回りの設備の交換などです。リノベーションは、大規模に改修して建物自体の価値を高めることが目的です。沖縄でいうと、赤瓦の昔ながらの古民家の風合いを残しながら、室内を一新してまた新たに住み継いでいく。という感じです。
家は改修を繰り返すことで、次世代へとバトンを渡すことができるのです。
今建てる住宅に自然素材を使うことで、何十年後に行う改修は少なくて済みます。
また時代を重ねたからこそ出てくる、素晴らしい風合いを楽しむことができます。
今年の夏に発売された、雑誌「チルチンびと」92(2017夏)号に面白い記事が掲載されていました。
「買う家と、つくる家の違い」と題して様々な角度から比較されています。
買う家とは建築コストを抑え、売り手の立場でつくった家。
つくる家とは住まい手とつくり手で一から始めるこだわりを込めた家。
その中で買う家とつくる家とで60年間のメンテナンスコストに約800万円もの
差がでると書かれています。よかったら読んでみてくださいね。(沖縄のオフィスにも置いてますので、お気軽にお越しください。)
一世一代の買い物である想いのつまった住宅が、「安物買いの銭失い」になってしまわぬよう、生涯にかかるメンテナンスコストまでしっかりと考える必要があります。